再び、北へ。その5―ライフ・イン・唐桑 [大地震、それからの日々]
毎日誰かが戦ってます。
唐桑VCでは、海岸亭で飼われている犬のさっちゃんを、ボランティアが散歩に連れて行きます。
いや、連れて行かれているというか・・・(T▽T;)
とにかく、行きたいところに行く犬です。納得行かないと、帰る方向に向いてさえくれない(笑)
「今日はさっちゃんと○○まで行った」というのが、毎日の話題のひとつでした。
(ワタシも、一時間半くらい歩かされましたよ・・・)
さて、さっちゃんが歩いている道。
ひび割れがあるのがわかりますか?
斜面がずり下がったのか、L字側溝もガードパイプも傾いています。
津波の被害を受けていないところでも、こうした被害があちこちにあります。
そんな風景の中、暮らしは続く。
唐桑VCの冷蔵庫や炊事場は、頂きものやら持ち込まれものやら、誰も把握できない食材のカオス状態!
業を煮やした(?)総務のさいちゃんの提案から、食事当番が新設されました。
とにかく、野菜だってスイカだって鮭だって丸ごと来る。わかめもじゃがいもも大袋。
長さ70㎝くらいある夕顔とか、正体不明のUFO瓜とかには、さすがに悩みました。
(東北では、夕顔の実を食べます。冬瓜みたいでおいしいです)
「ツナ缶あるから、夕顔とそぼろ煮にしたらいいのでは?」
それはいい、と缶詰入れを開けたら、全部味付けまぐろフレークだったりとか(T▽T;)
誰かが大量にわかめを戻してしまい、使い道に悩んだりとか・・・
食べることだって、日々の一大イベントなのです。
唐桑VCにはお風呂がないので、みんなで車に乗りあって気仙沼市街へ行きます。
「お風呂?行きます!誰の車で何時出発?」
毎日、作業して帰ってきたらこんな感じ。慌しいのです。
お世話になった、気仙沼市内の銭湯。
この近辺で活動するボランティア団体にとってはもう、命綱みたいな存在(笑)。
おばあちゃんとも、すっかり顔なじみになりました。
7月に来たときは、街に魚の発酵したようなにおいが漂っていて、暮らしている方は辛いだろうな、と思ったものです。
今回は、そのにおいもあまり感じられなくなっていました。
銭湯の近くのお寿司屋さんに、みんなで行った日もありました。
地元にお金を落とそうプロジェクト(笑)
7月は、地元産なのはカツオだけだったけど、今はもっと種類が増えたそうです。
少しずつ、漁業も動き出しているんだなと思いました。
気仙沼の戻りガツオって本当においしいのだ!
毎日、気仙沼の市街地を通り抜けながら、見ていた風景。
JR大船渡線、鹿折唐桑駅前。
現在、大船渡線は、気仙沼より先への運転再開の見込みが立っていません。
駅も、ホームだけが残っていました。
駅正面に大きな船が打ち上げられたこの風景は、気仙沼の津波被害の大きさを物語っています。
周囲には、火災のため焼け焦げたがれきや車が積まれ、黒ずんだ歩道橋がまだ残っていました。
漁師さんたちが、ボランティアたちを招いて開いてくださったバーベキュー。
開催場所は、壊れた倉庫のような建物。
ちょっとシュールな光景に見えますが、ここも生活の場なのです。
「唐桑の皆さんと共に歩んでいきます」
この時のほっしゃんの言葉に、もらい泣きしそうになりました。
がんばりましょうとか、応援しますとかではなくて、共に生きていくという決意。
きっと、そこにいたみんなが、それぞれにその思いを共有していたと思います。
帰る前に食べた、海岸亭のランチ。す、すごいボリュームだ・・・。
(海岸亭は、VCに場所を提供してくださっているレストランです)
冷蔵庫やキッチンを貸してくださるだけでなく、料理の手助けもしてくださったマスター。
色々ご迷惑もおかけしました。
唐桑VCが活動できるのも、マスターのおかげです。ありがとうございます。
お昼時、巨釜にお立ち寄りの際はぜひどうぞ(ってhoshizouさんくらいか)
チーム唐桑の仲間たち、海岸亭のマスター、そして何より、唐桑の皆さん・・・
たぶん、あの大災害がなければ、出会うことのなかった人たちだけど、忘れられない出会いです。
ずっと思い続ける、大切な場所が、ひとつ増えました。
まだまだ、震災からの再起は、始まったばかり。
離れていても、ずっと忘れず、見届けていきたいと思っています。
そしていつか、よみがえった三陸を、見に行きたい。
本当はまだまだ語りつくせないけど、今回の唐桑記事は最終回です。
長ーいレポにお付き合いいただき、ありがとうございました。
唐桑VCでは、海岸亭で飼われている犬のさっちゃんを、ボランティアが散歩に連れて行きます。
いや、連れて行かれているというか・・・(T▽T;)
とにかく、行きたいところに行く犬です。納得行かないと、帰る方向に向いてさえくれない(笑)
「今日はさっちゃんと○○まで行った」というのが、毎日の話題のひとつでした。
(ワタシも、一時間半くらい歩かされましたよ・・・)
さて、さっちゃんが歩いている道。
ひび割れがあるのがわかりますか?
斜面がずり下がったのか、L字側溝もガードパイプも傾いています。
津波の被害を受けていないところでも、こうした被害があちこちにあります。
そんな風景の中、暮らしは続く。
唐桑VCの冷蔵庫や炊事場は、頂きものやら持ち込まれものやら、誰も把握できない食材のカオス状態!
業を煮やした(?)総務のさいちゃんの提案から、食事当番が新設されました。
とにかく、野菜だってスイカだって鮭だって丸ごと来る。わかめもじゃがいもも大袋。
長さ70㎝くらいある夕顔とか、正体不明のUFO瓜とかには、さすがに悩みました。
(東北では、夕顔の実を食べます。冬瓜みたいでおいしいです)
「ツナ缶あるから、夕顔とそぼろ煮にしたらいいのでは?」
それはいい、と缶詰入れを開けたら、全部味付けまぐろフレークだったりとか(T▽T;)
誰かが大量にわかめを戻してしまい、使い道に悩んだりとか・・・
食べることだって、日々の一大イベントなのです。
唐桑VCにはお風呂がないので、みんなで車に乗りあって気仙沼市街へ行きます。
「お風呂?行きます!誰の車で何時出発?」
毎日、作業して帰ってきたらこんな感じ。慌しいのです。
お世話になった、気仙沼市内の銭湯。
この近辺で活動するボランティア団体にとってはもう、命綱みたいな存在(笑)。
おばあちゃんとも、すっかり顔なじみになりました。
7月に来たときは、街に魚の発酵したようなにおいが漂っていて、暮らしている方は辛いだろうな、と思ったものです。
今回は、そのにおいもあまり感じられなくなっていました。
銭湯の近くのお寿司屋さんに、みんなで行った日もありました。
地元にお金を落とそうプロジェクト(笑)
7月は、地元産なのはカツオだけだったけど、今はもっと種類が増えたそうです。
少しずつ、漁業も動き出しているんだなと思いました。
気仙沼の戻りガツオって本当においしいのだ!
毎日、気仙沼の市街地を通り抜けながら、見ていた風景。
JR大船渡線、鹿折唐桑駅前。
現在、大船渡線は、気仙沼より先への運転再開の見込みが立っていません。
駅も、ホームだけが残っていました。
駅正面に大きな船が打ち上げられたこの風景は、気仙沼の津波被害の大きさを物語っています。
周囲には、火災のため焼け焦げたがれきや車が積まれ、黒ずんだ歩道橋がまだ残っていました。
漁師さんたちが、ボランティアたちを招いて開いてくださったバーベキュー。
開催場所は、壊れた倉庫のような建物。
ちょっとシュールな光景に見えますが、ここも生活の場なのです。
「唐桑の皆さんと共に歩んでいきます」
この時のほっしゃんの言葉に、もらい泣きしそうになりました。
がんばりましょうとか、応援しますとかではなくて、共に生きていくという決意。
きっと、そこにいたみんなが、それぞれにその思いを共有していたと思います。
帰る前に食べた、海岸亭のランチ。す、すごいボリュームだ・・・。
(海岸亭は、VCに場所を提供してくださっているレストランです)
冷蔵庫やキッチンを貸してくださるだけでなく、料理の手助けもしてくださったマスター。
色々ご迷惑もおかけしました。
唐桑VCが活動できるのも、マスターのおかげです。ありがとうございます。
お昼時、巨釜にお立ち寄りの際はぜひどうぞ(ってhoshizouさんくらいか)
チーム唐桑の仲間たち、海岸亭のマスター、そして何より、唐桑の皆さん・・・
たぶん、あの大災害がなければ、出会うことのなかった人たちだけど、忘れられない出会いです。
ずっと思い続ける、大切な場所が、ひとつ増えました。
まだまだ、震災からの再起は、始まったばかり。
離れていても、ずっと忘れず、見届けていきたいと思っています。
そしていつか、よみがえった三陸を、見に行きたい。
本当はまだまだ語りつくせないけど、今回の唐桑記事は最終回です。
長ーいレポにお付き合いいただき、ありがとうございました。
2011-09-10 20:06
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コメント(19)
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美味そうな定食ですね
寿司もうまそう
by 北海 熊五郎 (2011-09-10 20:54)
お疲れ様でした。そして、有り難うございました。
by olive (2011-09-11 09:22)
ボランティアの方々や、地元の方々の生活感が感じられて
少しホッとしました。
でっかい夕顔がどんな風に料理されたか気になります。
暑い中での活動、お疲れさまでした。
by luces (2011-09-11 15:55)
いつの日かよみがえった三陸で、
ボランティア活動をした人たちと再会出来たら
本当に泣いちゃいそうだよね。
そんなうれし涙を流せる日が、はやく来ると良いなって思いました^^
お疲れ様でした!!
by リュカ (2011-09-11 16:03)
・・・気仙沼の銭湯・・・ボランティア団体にとっては命綱 ・・・
よ~くわかります^^ 活動のあと ホッとひと息の空間 ですね^^
よい思い出 残るでしょう。 しろのぽちゃんに乾杯
by 肥前のFe (2011-09-11 19:09)
こんにちは。
お疲れ様でした。
衣食住と言うけれど、ボランティアで活動するにしても、そういう事も大事になりますね。
長く続く縁と言うか支援が必要ですね。
by HIRO (2011-09-11 21:37)
大船渡の駅、スゴイ惨状でしたよね・・・
映像でみても打ちのめされたけど、実際行ったら
また受けるモノも違ってきそうです。
こんなに近くで接した場所って、
私だったら第二の故郷って気がしてきそうです。
by にこちゃん (2011-09-11 23:25)
びっくりしたのはね~
リュカさんが、私が思ったのと同じコメントを書いていることです。
その気持ちが、あの妄想小説に発展しました。
by hoshizou (2011-09-12 00:01)
北海 熊五郎さん
食べ物に反応かー(爆)
定食は、熊五郎さんにはちょうどの量かも。
三陸のお魚、おいしいんですよ。東京にも出荷されるようになってきました。お試しあれ!
oliveさん
ありがとうございます(^^
とっても貴重な日々になりました。
lucesさん
現地の方だってボランティアだって、寝て起きてごはん食べて暮らしてますから(^^;
でっかい夕顔は、半分は炒め物、半分はそぼろ煮になりました。
っていっても、どっちも味付けまぐろフレーク味(爆)
実は2個あったのですが、ワタシが帰ったあともうひとつも食卓にのぼったという証言がありました。
この時は暑かったり肌寒かったりという日々でしたが、唐桑はもうすっかり秋らしいです。
リュカさん
今は、海沿いはどこを見ても被災した景色です。
いつか、新しくなった街と、よみがえった港を見に行きたいです。
漁師さんたちと再会したら、ホントに泣いちゃいそうですね。
hoshizouさんの妄想小説も読んでみてください(笑)
肥前のFeさん
暑かったり寒かったり、ホコリだらけだったり磯臭かったり・・・
お風呂に入ると、生き返る気分でした。
といっても、車でも時間がかかるので、いつも慌しく入ってましたけど(^^;
いい思い出がたくさんできたけど、まだまだ復興への取り組みは続いています。
何かの形で、ずっと関わっていきたいです。
HIROさん
長期滞在だと、洗濯もするし、雑魚寝やキャンプだから疲れもたまるし、結構大変です。
それでも、少しでも快適になるようにみんな工夫していると思います。
現地はそろそろ冬支度。まだまだ支援は必要です。
にこちゃんさん
記事に入れきれなかったけど、陸前高田の街も見に行きました。
本当に何もなくなっていて、何も考えられなくなるほど衝撃を受けました・・・
生まれ育った福岡、ずっと暮らしている立川、そして唐桑。
第三の故郷ができたと思っています。
hoshizouさん
おつかれさまでした(^^;
ツッコミどころ満載なんであとで行きますけど(笑)
東北の復興は、妄想じゃなくて数年後の現実にしなくては。
hoshizouさんもワタシも、まだまだやることはたくさんですね。
by しろのぽ (2011-09-12 18:51)
はじめまして
hoshizouさんのところから来ました
唐桑の復興のために、足を運んでいただいて、頭が下がります
長い時間かかるであろう沿岸部の復興。これからもよろしくです。
by tansta (2011-09-14 23:37)
tanstaさん
いらっしゃいませ!
えーと、ワタシそもそもこういうキャラですから(笑)
唐桑に行ったのはたまたまでしたが、今やすっかり唐桑依存症に・・・(^^;
現地に行くと、復興はまだまだスタートラインについたかどうか、という状態なのがよくわかります。
これからも関わっていきたいです。
by しろのぽ (2011-09-15 01:04)
え〜ッ レポ、終わっちゃうんですか
またレポ書くために、唐桑に行ってくださいョ
私は明日の晩からまたまた唐桑に行きます
バーベキューや銭湯も懐かしいです
(銭湯にはまた行くんですが…)
銭湯のそばの寿司屋、海岸亭のランチ、
今回の課題です
by ヤマ (2011-09-15 21:46)
ヤマさん
その気になれば倍くらい書けますけど、読むほうが大変なので(^^;
「人が足りない」という情報があちこちから入ってきてます。
行きたいけど、ちょっと難しい状況になっていて・・・
ヤマさん登場は心強いですね!
最終日に海岸亭でランチを食べて、午後から帰りました。
ヤマさんもこの手でどうですか?
by しろのぽ (2011-09-16 02:11)
少しずつでも愚直に前進する現場の方達には、3か月後、5年後の唐桑が、東北が、見えているのでしょうね。決して見込みは甘くなくても、確実に色彩を増していく様子もまた、現実だということ。私も頑張らねば。
by uni (2011-09-16 02:18)
uniさん
今はとにかく、目の前のことでせいいっぱいかもしれません。
それでも、みんながこれからを生きていくために、今できることをやっている・・・そんな感じがします。
さて、ワタシも、自分のことがんばらなきゃなぁ・・・(^^;
by しろのぽ (2011-09-17 22:46)
人には想像する力がある!
などと、普段、さも分かった風なことを言ってますが、
そういうものが実に頭の中の単なる観念なのだ!
とリポートを読んでつくづく感じました。
いつかほんとうに、よみがえった三陸を!
by e-g-g (2011-09-20 11:45)
e-g-gさん
全てを体験するわけにも、自分の眼で見るわけにもいかないですからね・・・。
そこはやはり、想像力を働かせざるを得ません。
今回レポしたのは、唐桑半島という狭い地域の、ほんのひとかけらです。
でも、何か発見してくださる方がいたらうれしいな、と思いながら書いていました。
これからも、三陸がよみがえるまでの道のりを、ともに歩んでいく気持ちで見ていきたいです。
by しろのぽ (2011-09-20 19:03)
お疲れ様です!
旨そうな物ばかりで腹が減りますw
本当に現地の方々の前へ向かう姿、それを助けるボランティアの方々、、、
胸が熱くなります。
なんか色々と言いたい事があるのですが上手くいえないです(^^;
復興へ向かう姿、本当にすばらしいです!
by わかけ (2011-09-21 03:07)
わかけさん
え、犬(笑)?
辛い状況の中、気さくに振舞い、前に進もうとする現地の方々に、ボランティアの方が力づけられるくらいです。
復興への道のりは、まだその地図さえもないような状態。
現地を見ると、その困難さが実感としてわかります。
まだまだ、みんなで考え、支えていかなければと思います。
by しろのぽ (2011-09-24 00:50)